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買い物を続ける愛犬愛猫のビジュアル問題で、最も多いのが「涙やけ」。色素の薄いワンちゃん、ネコちゃんの目頭に、一筋の赤黒い線。悲しそうにも見え、しんどそうにも見え、見るからに不健康そう。獣医さんで相談して、涙管を開通する手術を受けられた方も多いのでは。その時に、恐らく「完全には治らない」「再発するかも」とリスク説明も受けたかと思います。幸運にも、一度の開通手術で治ったコもいますが、一概には言えないのが涙やけ。
では、涙やけってどうして「ヤケる」のでしょうか。
涙自体に色はありません。無色透明なのが涙です。透明な涙なのに、なぜ色がつくのか?そこが問題です。涙の成分は舐めてみてわかるように塩からくて、塩分が含まれいます(実際に舐めてみましたがマネはしないでください)。塩からい成分はナトリウムやカリウム、その他にタンパク質が数種類と油分が含まれます。ナトリウムには色はつきません。残りのタンパク質や油分が酸素と結びついて酸化して錆びた状態の色があの赤茶色。まさに焼けているように見えますよね。もちろん、もし涙に最初から色がついているようなことがあったら、涙やけ以前の問題なのですぐに獣医さんの診察を受けてください。
この「焼けている状態に見える」ことから涙やけと一般に言いますが、医学用語ではありませんし、それ自体が生命に係わることはないので、根本解決にならないことも多いかと思います。ただ、焼けないコもいるのに、なぜヤケるのか、というのは押さえておく必要があります。白いワンちゃん、ネコちゃん、色素の薄いコにとっていは大問題です。黒かったら目立たないから気づかないこともあるかも知れませんが、実はこの涙やけは、オーナー様に発する愛犬愛猫からの「ちょっと不調」のサインなのです。日々のケアで解決する方法を探しましょう。
油分やタンパク質の「質」が主な原因と考えられます。例えば唾液はいかがでしょう?口周りの色は変わってはいませんか?さらに外陰部が変色して汚れたりしているように見えませんか?これは全て体から分泌される液体です。尿は色素があるので、黄色くて当たり前ですが、これだけハッキリわかる色の割にキレイですよね。成分が違うので、酸化で色が変化してしまうほどのことがあると、それはそれで正しい尿以外の成分が排出されてしまっているかも知れません。涙やけの原因ではないのですが、分泌物がクリアであれば酸化して色が変化することはなさそうです。
鼻がピカピカにしっとり濡れている状態だと目と鼻に通じる鼻涙管が通っている状態です。いつも乾いている場合は鼻涙管閉塞症を疑います。時々濡れていれば一時的なもの、一度も濡れたことがなければ先天的なもの。一時的なものの場合は鼻涙管マッサージで改善することもあります。
※ 鼻涙管マッサージ(涙やけ改善マッサージ)の動画はこちら
実ははっきりした原因がわからない「涙やけ」は、アレルギーとまで言わなくても、食べたものが原因のことが多く、「フードを手作りにしたら改善した」という体験談を耳にした方も多いと思います。まず、手作り食は水分が多く摂れることが改善のヒントになります。涙の成分がスッキリしていると酸化が起こりにくく、色が付きにくくなりますね。オシッコの量も一緒に観察すべきですが、水分をしっかり摂ることは、血液や体液の循環を促す最も簡単な方法です。
ドライドックフードも水分さえ多く摂っていれば、理にかなった食餌です。何よりも『酸化』させないことが大事。涙が酸化してヤケるのはご理解いただけたと思いますが、摂取する食餌がそもそも酸化している、ということがないように、ドライドックフードは封を開けた瞬間から酸化が始まるので、大袋で購入することのないように、購入したら酸化を防ぐ密封容器に保存するなどの工夫で酸化の速度が激減することもあります。
既に手作り食にトライしていらっしゃる方で改善しない場合は、一品目ずつ、1週間単位で変えてみてください。思わぬアレルギーを発見するかも知れません。明らかな食物アレルギーの場合は、口周りのトラブルも同時に起こりますが、涙の成分の中にあるたんぱく質の『質』を悪くするような食材(肉や魚)の添加物など、仕入れ先から疑う必要があるかも知れません。肉類の育った環境や飼料、保存方法が影響することもあります。ジビエにアレルギーが少ないといわれるのはそのためだそうです。
ケアの種類はいくつかありますが、ご紹介できないほどたくさんの対策グッズやサプリメントがあります。被毛は染まってしまうとどうすることもできません。粘膜の近くですから、もちろん漂白など出来ないので、伸びてくるのを待つばかりです。長毛のコは、目の周りはマメにカットしてスッキリと整える必要があります。涙やけだけではなく、目ヤニが出る状態であれば感染症の恐れもあり、獣医さんにご相談ください。
涙やけは単にビジュアルの問題ではなく、何らかの目に見えない小さな体の中のトラブルを教えてくれているのかも知れません。命に係わることはないのかもしれませんが、放っておいてよいものではないことを理解して、根本的な改善につながりますように。 鼻涙管閉塞、アレルギー、ストレス、肥満、他にも隠れた要因があるかも知れません。
大切なパートナーからの小さなサインを見落とさないように、目を見て愛情を注いてあげてくださいね。